無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

いつも心にスピッツを。

スピッツ 〜JAMBOREE TOUR “あまったれ2005”
■2005/03/24@北海道厚生年金会館
 前作の時のツアー以来、ということで約2年半ぶりのスピッツ単独公演。はっきり言って何も特別なことはなく、キーボードのクジヒロコをサポートに迎え、5人がステージ上で新作の曲を中心に過去の曲も交え演奏していくという、極めて真っ当なベテランバンドのコンサートだった。それだけかよ、と言われればそれだけだよと言う。でもそれで帰り道が素晴らしくいい気分になれるのだ。文句のつけようがない。この日のセットの中でキーになったのは『ハチミツ』からの「歩き出せ、クローバー」「愛のことば」と、『惑星のかけら』からの「アパート」「シュラフ」という懐かしい曲。シングルでもない割と地味な曲を真摯にそして重厚に演奏する。かつて同じ曲を聴いていた時とは違うものが見える。隣にいる人間も違う。でも、演奏している彼らも自分も今またこうして同じ空間にいる。
 同じバンドと長く付き合うということは、自分の人生の様々な場面でその音楽が切っても切り離せないような関係になることがあるということだ。自分とバンドが一緒に年をとり、成長していくことの豊かさ。少なくとも、僕とスピッツの間にはそんな幸せな関係がある。
 僕と同じように10数年前から聞いているベテランファンの人たちと同様、会場にいた高校生や大学生(親と来ている人もいた)の彼ら彼女らも、これからの人生の中で節目節目にスピッツの曲がBGMとして流れていくことになるのだろう。素敵なことじゃないか。

■SET LIST
1.春の歌
2.ワタリ
3.甘ったれクリーチャー
4.さわって・変わって
5.歩き出せ、クローバー
6.ベビーフェイス
7.ナンプラー日和
8.恋のはじまり
9.愛のことば
10.ほのほ
11.スターゲイザー
12.アパート
13.シュラフ
14.会いに行くよ
15.渚
16.夢追い虫
17.8823
18.今
19.俺のすべて
20.正夢
<アンコール>
21.テイタム・オニール
22.空も飛べるはず