無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZO感想(2)~やつらの足音のバラード

■2017/8/11@石狩湾新港特設ステージ

 ねごとの後、時間的体力的にやめとこうかなと思ったけど、レッドスターに移動。ちょうどバックホーンが始まったところだった。昼間は気づかなかったのだけど、PAテントの後ろにモニタービジョンができていた。最近はサンステージでもいいくらいのビッグネームがブッキングされるレッドスターだけど、この辺にも第2のメインステージ化が見える気がした。バックホーンは比較的新しい曲から代表曲まで、いちいちツボを押さえてくる非常にいいセットリストだった。激しいだけでなく中盤の「美しい名前」でグッと静寂に引き込み、「あなたが待ってる」で温かさを感じさせるなど、緩急も抜群に上手かった。バックホーンも来年で結成20周年。10周年で2枚組ベスト出したのがついこの前のような気がしたけど、早いなあ。そんなベテランのキャリアを十分に感じさせる堂々とした貫禄のステージ。ラストの「コバルトブルー」「シンフォニア」「刃」の3連発はヤバかった。本人たちも20周年という区切りを意識しているのか、気合が入っていたと思う。久々に見たけど、すごくカッコよかった。

THE BACK HORN
1.ブラックホールバースデイ
2.魂のアリバイ
3.導火線
4.罠
5.美しい名前
6.あなたが待ってる
7.孤独を繋いで
8.コバルトブルー
9.シンフォニア
10.刃

BEST THE BACK HORN II(TYPE-A)

BEST THE BACK HORN II(TYPE-A)

https://www.instagram.com/p/BXpxXTDB-As/
レキシに民族大移動。

ここから僕も含めて稲穂を持った連中がサンステージに向けて大移動する。初日サンステージのトリというのは、つまりどうぞ時間オーバーしてくださいということか。レキシのステージを語る場合はセットリストがどうかよりも、それ以外で何の曲をやったかの方が重要だろう。2年ぶりのラサロということで北海道にちなんだ曲を目の前のカメラマンにリクエストしていた。そして当然、先にすごいライブをやったB’zについても言及する。「もう帰った?まだいる?」「やっていい?(袖のスタッフを見て)×?」みたいなやり取りがありつつも結局そして輝く稲トラソウル。曲を演奏している時間とくだらないおしゃべりの時間が同じくらいなんじゃないかと思うほど、抱腹絶倒の時間。しかしそれもこれも池ちゃんの無茶ブリにちゃんとついてくる腕利きバンドメンバーたちがいればこそ。コミックバンドは演奏がうまくなければいけない、というのは僕の持論なのだけど、それを今最も体現しているのがレキシのライブだと思っている。フェスで見るたびに稲穂の数が増えている気がする「狩りから稲作へ」で大団円かと思いきや、アンコールで「きらきら武士」を。初日のトリということで時間度外視してやり続けるかと思いきや、それほど時間オーバーせずに終わりました。

■レキシ
1.KMTR645
2.SHIKIBU
3.年貢 for you
4.KATOKU
5.狩りから稲作へ
6.きらきら武士

↓その他触った曲
やさしい気持ち
北酒場

涙のリクエスト
LOVE LOVE LOVE
稲tra soul
ALONE
君がいるだけで
いい湯だな
Missing

 For CAMPERSの深夜帯、何を見ようか悩んでいたのだけど、結局Song forムッシュかまやつに。FRIDAY NIGHT SESSIONと最後まで悩んだんだけど、稲川淳二も見たいし、今年は会場外駐車場なのでボヘミアンで見てそのまま帰れるし。と、いろいろ考えて決定。というわけでレキシ後はテントに戻り帰り支度。荷物を持ってそのままボヘミアンに向かいました。
 今年3月に亡くなったムッシュ追悼企画であるステージ、最初に登場したのはKenKen。彼がこのステージのMCも担当する。続いて登場したのはギターの山岸竜之介、そしてドラムにシシド・カフカシシド・カフカNHK朝ドラ「ひよっこ」で早苗さんといういい役をやっているのだけど、本職で見るとまた全然違う魅力にあふれている。長い髪を振りドラムを叩く姿はやはりカッコいいし、美しい。KenKenと山岸竜之介はムッシュが最後に組んだバンド、LIFE IS GROOVEのメンバーとして一緒に活動していた。山岸はまだ若干18歳。そんな年齢でムッシュの薫陶を受け、共に活動していたわけだ。実際プレイはバカ上手く、末恐ろしい。1曲目はLIFE IS GROOVEのアルバム『コンディション・ファンク』から。時折手元のサンプラーでKenKenが様々なムッシュの声を出す。ボヘミアンの森に響くムッシュの声。その辺からひょっこり顔を出しそうな雰囲気すらあった。ここからは様々なゲストが入れ替わり登場してムッシュが残した数々の名曲を演奏していく。どれもよかったけど、特に印象的なのは斉藤和義の弾き語り「やつらの足音のバラード」、charがファンキーなギターを聞かせた「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」。金子マリも登場したけど、KenKenが普通に「僕のお母さんを呼びます」と紹介してたのは微笑ましかった。ラストは全員で「フリフリ」と「バン・バン・バン」シンプルな曲だけど、今聞いても全然カッコいい。ちゃんとロックンロールしてる。スパイダーズはGSの中でも音楽的に高い評価を得ていたバンドで、それはムッシュの手腕によるところが大きかったんだと思う。アンコールで出てきたと思ったらまた全員で「バン・バン・バン」のリフを延々と続ける過剰サービスぶり。最後はムッシュの音声でメッセージが流れ、その後に自然と拍手が沸き起こった。ありがとう、ムッシュ。改めて、安らかに。

■Song For ムッシュかまやつ~LIFE IS GROOVE~
1.HIGH TIME(kenken・山岸竜之介・シシドカフカ
2.どうにかなるさ(奥田民生
3.やつらの足音のバラード(斉藤和義
4.あの時君は若かった(Char・斉藤和義
5.ノーノーボーイ(金子マリ・Char)
6.ゴロワーズを吸ったことがあるかい(金子マリ・Char)
7.エレクトリックおばあちゃん(奥田民生斉藤和義・Char)
8.フリフリ(全員)
9.バン・バン・バン(全員)

 そのままボヘミアン稲川淳二を見たのだけど、座って聞いてたのもあって半分以上寝落ち。なので話は一つも覚えてません。残念。唯一覚えているのは出てきた時と帰る時、稲川淳二が満面の笑みでこれでもかというくらいに手を振ってたこと。いい人だ。というわけで初日は終了。帰り道、すでにぽつぽつと雨が落ちてきていた。
(続く)