無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

ロックンロール。

KING OF THE JUNGLE

KING OF THE JUNGLE

 元々楽曲の完成度とバンドの演奏力は非常に高いバンドだけども、どうしてもそのキャラクターがミーハー的に受け入れられてしまっていた。まあ、曲もほとんどがラブソングだし、声もそんな感じだし、しょうがないとは思うのだけど。それを本人達がなんとかしようと真正面にロックに向かい合ったのが前作だったと思う。はたから見てても肩に力が入りすぎてるという気がしたのだが、実際、その気合に結果が追随したわけではなかった。今作は周りの声は置いといて、自分らのありのままを出すという開き直ったともいえるモード全開になっている。これがいい。結果、彼らの魅力がこれまで以上に前面に出た快作と言える。ソウルフルなファルセットボーカルを聞かせるTr.9や、ロカビリーTr.12などの新機軸も打ち出し、決してマンネリにもなっていない。ギターリフのキャッチーさもたまらない。今までの彼らのアルバムの中でも個人的に一番好きだ。
 勢い、青さ、若さ、いろんな魅力が彼らにはあるが、全部ひっくるめてやはり彼らは「ロックンロール」バンドなんだと思う。それはもう、悲しいほどに王道まっしぐらだ。