二人の天才の執念。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2005/04/22
- メディア: DVD
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「ロボットは人間になれるか?」「限りなく人間に近いロボットを人間は愛せるか?」というのがテーマだが、要するにピノキオということだ。キューブリックがこういう題材を選んだというのは意外な気もするが、スピルバーグに早い段階からコンタクトを取っていたという事実もあり、大衆的なファンタジーを作ってみたいという希望もあったのかもしれない。なかなか興味深い二人の関係ではある。
有限の命しかない人間と、壊れない限り生き続けるロボット。「好きな人とずっと一緒にいたい、愛されたい」という願いをかなえるための時間を超えたロードムービーという見方もできるかもしれない。『E.T.』のように映画史に残る名シーンがあるわけではない、けれども最初と最後が静かなトーンでまとめられて、それが逆に印象に残る。美しい余韻が残る。途中ややダレ気味の展開もあるが、スピルバーグの演出はやっぱり上手いと思う。ラストも当然の如く泣かせるものなわけだが、鼻につくヒューマニズムは抑えられて、胸がしめつけられるような物悲しい「ハッピーエンド」になっている。個人的にはすごくいいと思う。