リンダリンダラバーソール
リンダリンダラバーソール―いかす!バンドブーム天国 (ダ・ヴィンチ・ブックス)
- 作者: 大槻ケンヂ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー ダヴィンチ編集部
- 発売日: 2002/03
- メディア: 単行本
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バンドブームの中急激に時代の真ん中に担ぎ出され、わけも分からずに世の中の流れに飲み込まれていく若者たちの姿。オーケンははっきりとそれを過去のもの、過ぎてしまった青春時代、としてややノスタルジックに描く。そしてそこには自分たちのように失敗はするなよ、という、おっさんから今の若い世代へのアドバイスのようにも見えるのだが、それは取り越し苦労というものではなかろうか。今のシーンは10年前ほど脆弱ではないし、聞き手もやる側もそう簡単に流されないだろう。ロックが上手く時代との付き合い方を学んだ、といえるのかもしれない。
ほとんどノンフィクションと言っていい内容だとは思うのだけど、全編通じて軸となる主人公(オーケン)とコマコとのロマンスとその顛末だけはどうしてもウソ臭く見えてならない。ただ、このエピソードが何よりもこの本のノスタルジーを支えているのも事実。そこは気にせず半ノンフィクション小説として楽しめばいいのだろう。
10年前かあ。そりゃあ年もとるはずだよ。