パロディは愛こそが全て。
- アーティスト: ザ・パンクルズ
- 出版社/メーカー: インペリアルレコード
- 発売日: 2003/04/23
- メディア: CD
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こういったパロディにはその対象に対する批評性とともに、まず何よりも愛と敬意がなくてはいけないと思う。そうでなければ単にいじって笑いものにしているだけの悪ふざけに堕してしまう。その意味で僕が数あるビートルズのカバー、パロディバンドの中で最も愛に満ち音楽的に優れていると思うのはダントツでザ・ラトルズである。モンティ・パイソンのエリック・アイドルが仕掛けたコンセプトは最高の一言だし、元ボンゾ・ドッグ・バンドのニール・イネスが手がけた楽曲はどこから聞いてもビートルズであるのにどこから聞いてもオリジナルであるという、奇跡のマジックを有していた。パンクルズは本作でラトルズの「ホールド・マイ・ハンド」という曲をカバーしている。そして本作のジャケットは幻の「ブッチャー・カヴァー」のパロディだ。これだけで彼らのビートルズへの愛がわかろうというものだ。頭悪そうだけど、こういうところが妙にファン心をくすぐるのである。ラストにはパンクアレンジではなく極めて真っ当な「レイン」のカバーも収められている。意外としたたかで、マジな人たちなのかもしれない。