快進撃は現実か。
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント/角川書店
- 発売日: 2002/10/11
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
オープニング、ナイターの明かりで夜の中ぽっかりと浮かぶ甲子園球場の空撮がとても美しい。このシーンだけで監督のこの映画、そして野球に対する思いがはっきりと伝わってくる。きちんと野球を描きたかったのだ。で、こういうスポーツが舞台の映画は、その競技がきちんと描かれていれば、まず大ハズレすることはない。ストーリーは、まあとり立てて言うべきほどのものはないけども、サラリーマンとプロ野球選手という2足のわらじで悩む主人公を長嶋一茂が好演。試合のシーンでもかなりピッチャー姿が様になっていた。ライバル役の駒田も役者初挑戦ながら無難な仕事。橋爪功や、鶴田真由、竹中直人など、上手い役者がちゃんと回りを固めていた。クライマックス、さすがにバースまでが出てくるのはやり過ぎだろうという気もしなくはないが、他にも解説者に吉田義男や田淵も出てくるし、藪や檜山、矢野、広沢などの現役も出演。観客のエキストラには数千人の阪神ファンがあっという間に集まったそうだ。阪神球団、ファンが一体となって作った映画なのだ。その愛情が画面から溢れ出してくるようだった。
かつて「メジャーリーグ」という映画がヒットした時、舞台となったアトランタ・ブレーブスは何年かぶりのプレーオフ出場と、大活躍したそうだ。果たして 2002年の阪神はどうか。少なくともここまで開幕2連勝。なんだか、阪神ファンならずとも夢を見てしまいそうな、そんな不思議な予感すら感じる。